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2018.04.15 Sunday

2018/3/31-4/2 爺ヶ岳北稜

2018/3/31-4/2 爺ヶ岳北稜

 

メンバー:さいとう 単独

 

 

右が北稜 左が主稜     2016年東尾根より

 

街にいると、いつの間にか冬は過ぎ去り春になっていた事に気付く。

ひとり山に居ると一歩一歩の季節の移ろいを肌で感じる事が出来る。

そして、動物としての自分を少しずつ取り戻す事に喜びを感じる。

 

爺ヶ岳の北稜は、四年前に東尾根から眺めた時、それを北稜とも知らずにあそこを登ってみたいと思ったのが始まりだった。

その後、主稜、冷尾根を登り、この山行の二週間前に、本命の北稜を登る為、自宅を後にしたが、途中で車が壊れてしまい現地に辿り着く事すら出来なかった。

そして、再び挑戦する機会を得た。

北稜は核心となる第一岩峰、第二岩峰付近の雪面の亀裂により難易度が大きく変動するだろうと考えていたが、この山行の前、丸一週間快晴で気温も高かった事からコンディションは悪いと予想していた。

その悪い予想は残念にも的中し、想像以上に厳しい登攀を強いられる事になった。

 

3/31 まだ、夜が明けきらぬ内に大谷原を出発し、小冷沢沿いに上流へと向かう。

朝日が登り、暫く進むと正面に北稜が現れる。

 

 

正面右が北稜

 

 

三角の頂点が第二岩峰のピーク 左のスカイラインが北稜

 

これから登る北稜の迫力に息を飲む。

一ノ沢を少し登り、ルンゼ状の雪面を詰め尾根上に乗った。

気温が上がり始め、尾根上の雪は、早速腐り始めている。

ひと登りして目の前の第一岩峰を見上げると至る所に亀裂の走り、恐ろしいほど急な雪壁と巨大なキノコ雪が積み重なるように続いている。

呆然としながらもルートを探るが、複雑でよく分からない。

迷路のように亀裂の間を縫って進んで行くが、どこも傾斜がきつく神経を磨り減らす登攀に時間を費やす。

ミスは絶対許されないので、落ち着いて丁寧に登る事だけを心掛ける。

二時間以上の時間を使い、漸く第一岩峰を抜けると、やっと一息つける場所に出る事が出来た。

 

 

第一岩峰上から下を望む

 

 

上部に第二岩峰

 

休憩しながら少し先に控える第二岩峰を眺めるが、こちらもまた悪そうだ。

今日中に第二岩峰を抜けたいとこだが、、、

第二岩峰に取り付くとやはり悪い。

次から次へと続く難所に気持ちが追い込まれて行く。

第二岩峰のピーク直下にテントが張れそうな場所があったので、本日はここまでとする。

頑張ってリッジを切り崩し整地したがテントの一部は空中に飛び出し、テント内でアイゼンを装着しないと外へも出れないという、素晴らしい高度感を味わえるスリリングな宿になってしまった。

 

大谷原4:20〜7:00北稜末端〜9:00尾根上9:30〜11:45第一岩峰上〜14:30第二岩峰ピーク直下BP

 

4/1 第二岩峰のピークは正面から取り付き、傾斜のきつい雪壁を越えるとその上は、凄まじい高度感のナイフリッジとなっていた。

緊張で激しくなった呼吸を抑える事が出来ない。

鋭く尖ったナイフリッジの頂点を這うようにジワリジワリと前進する。

やがてリッジはカンテ状にそそり立ち、そこを越えると傾斜の落ちた広い雪面に飛び出した。

最高潮の緊張から開放され、思わず叫んでしまった。

やっと第二岩峰を抜ける事が出来た。

 

 

天幕地より下を望む

 

 

朝日に輝く鹿島槍

 

 

第二岩峰のピーク

 

 

爺ヶ岳北峰へと美しい雪稜が続く

 

ここからは快適な雪稜が北峰へと続いている。

時折、傾斜が立っていたり、雪面が割れていたりはあるが、順調に足を進める事が出来る。

鹿島槍を横に見ながらの楽しい登高だ。

北峰を間近にした頃、周りを見ると冷尾根、主稜それぞれにパーティーが取り付いており、共に核心に差し掛かるところだった。

 

 

北峰ももう近い

 

 

冷尾根

 

 

主稜

 

最後は傾斜の強い雪壁を慎重に登り、傾斜が落ち始めると視界の先に剱岳が現れた。

やっと、北稜を登り終えた!

剱岳に向かったまま北峰の頂に立つと「会心の山」が出来た事への喜びが全身から溢れ出た。

 

 

北峰から北稜

 

 

棒小屋沢越しの剱!

 

翌日に鹿島槍に登る為、ひと下りして冷池山荘の避難小屋に入った。

時間はまだ早いが、今日は周りの山を眺めて過ごす事にしよう。

 

BP7:00〜7:25第二岩峰上〜9:20爺ヶ岳北峰〜冷池山荘

 

4/2 朝起きると小屋の壁を風雪が叩いている。

暫く経っても止みそうも無いので鹿島槍のピークハントは中止とする。

日が昇り、雪が止むのを待って下山に掛かった。

途切れ始めたガスの間から見える山が美しい。

大谷原に着く頃にはすっかり晴れ渡っていた。

帰路につき、麓の街からは春霞の先に雄大な後立山の山々が浮かんでいた。

この日は早い時間に帰る事で、後立山の麓では芽吹き始めたばかりの新緑、甲府盆地をピンク色に染める桃の花、郊外の里山を彩る満開の桜等、春の彩を楽しみながら家路についた。

 

この三日間とても豊かな時間を過ごす事が出来た。 楽しかったな!

 

さいとう

 

 

 

 

 

 

 

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