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2016.09.24 Saturday

2016/9/1-9-10 ヨセミテ ワシントンコラム他(後編)

記:マイ

 

前編 の続きです。

 

登る前に壁を見たとき、壁が大きく威圧感を感じる場合は大体ビビっているからです。

ワシントンコラムの基部に来たとき、「海金剛くらいに感じる」と思ったので、ビビってはいなかったと思っていたのですが

ヨセミテでは周りの壁も、木も大きいので、実は感覚がおかしくなっているだけだったのかもしれません。

(※実際は海金剛よりはるかに大きいです)

 

そして2P目。

 

 

このクラックはトポではルート外(OFF Route)だったことに後で気づきました。

日本でこんな綺麗なクラックがオフルートなんてありえないです。

ちなみにほんらいのラインは写真の真ん中のクラックで、出だしはクラックが閉じていてビレイ点からクラックがよく見えない状態でした。

 

 

このオフルートに少々時間がかかり、ディナーリッジに着いたのは12時半でした。

 

オフセットナッツは良く効き、かなり使えると思っていたのですが、

回収がその分大変だということに気づかされました。

回収にはかなり自信があったのですが、今回の件でまだまだだと思い知りました。

 

ディナーリッッジで休憩後、1時半から4P目のKor Roofにトライ。

5P目までフィックスを貼りに行く予定でした。

 

 

しかし、ルーフ直下まで行ったものの、風がものすごく、一旦降りることに。

ディナーレッジでビレイしている分にはさほどではなかったのですが、

風音はすごく、少し登るとかなりの風が吹いているようでした。

 

ぼんやりどうしようかなと考えながら休んでいると、後続パーティーがやってきました。

風がひどいのでどうしようかと思っていると話すと、彼らもしばらく休んで、少し風が弱くなり始めた5時頃、Kor Roofに取り掛かりました。

彼らもビッグウォールは初めてだとのことでしたが、この時リードしていた若い男の子(D)はエイド自体初めてだそう。

「風が強い、怖い!楽しい!」と言ったり、「もうアルパインドローないよ」とか「もうカムないよ!」とか騒ぎながら、

かなり時間はかかったものの無事、終了点まで付いていました。(前腕を見る限りフリーはかなり強そう)

セカンドの男の子(M)は、しっかり練習を積んできたと言っていましたが、ルーフ部分の回収に手こずり、

彼らがフィックスして降りてくる頃にはもう暗くなってしまいました。

二人でこの1P登り終えるまで2時間半。でも時間がかかってもフィックスできた彼らが羨ましかったです。

 

ディナーリッジから見えるハーフドーム。

 

日が沈む頃には風は嘘のように止んでいました。

対岸の壁に明かりが灯っていました。EによるとGlacier point apronのGrackという超人気初級者向けクラックだそう。

今回は2パーティーしかいなかったのでレッジで広々ぐっすりと眠りにつきました。

 

 

夜中、ハイテンションなクライマーが登ってきました。ラテン系の人たちかなと思いました。

朝起きてみると、人は増えておらず、夢だったのかと思いましたが、リッジより下にフィックスが貼ってありました。

夜中に登ってきて、ここでフィックスして一旦帰った??

 

朝6時、登攀開始。

風も全くなく、shuは1時間もかからず終了点に。このスピードなら上まで行けるかも、と

昨日の風敗退後から下がったテンションが上がります。

 

 

私がユマール開始する頃には、夜中の謎のパーティーがやってきて

前来た時、Kor Roofにリードだけで3時間かかったと言っております。

彼らは2回目だから夜中に来たのか。

E&Dの二人もユマール開始しました。フィックス張っているので私たちよりずっと早く登れるでしょう。

 

気合を入れてルーフ下まで順調にユマール。

下からは「ずいぶん短いラダーだな!」との声が聞こえました。

確かにマウンテンダックスのアブミは彼らにはかなり短く感じるでしょう。

 

ルーフパートに入り、そのままユマールで突っ込んだのが敗因でした。

傾斜とボルト間隔からして大丈夫かと思ったのですが、支点のビナとアッセンダーがスタックしてしまい、

どうにもならないことに。しかもサブザックを背負っていて傾斜がしんどい。朝一なので水も満タンで重い。

荷揚げして貰えば良かったと思いました。バックロープ引いてるのだし、ルーフ上で荷物がスタックする心配もなかったのだし。

 

でももうここまで来てしまったので仕方ありません。

とにかくブラブラするこの宙吊り状態をなんとか脱したい。

知恵と体力を振り絞って、もがいていたら直立することに成功。

下からは「何だ、ステミングしてるぞ!」との声が聞こえました。

確かにアブミとアブミでステミングしていました。写真を撮ってもらえなかったのが残念です。

頭に上っていた血も元に戻って冷静になり、

リエイディング体制に入ってからは順調に登ることができました。

 

ふと隣を見るとまだDがユマーリングをしていて、しかも「こんなの楽しくない!」と言いながら登っていました。

私はかなり時間かかっているはずなので、彼が同じ高さにいることがおかしいなと思いましたが、

後で聞いたら、Dがバックロープを引いていたのが取り付きの岩に挟まって、もう一度ユマールやり直していたとのことでした。

Dは不慣れな空中ユマーリングを力いっぱいしていて、だいぶお疲れの様子。

それでもE&Dチームの方が早く、5P目は彼らが先に行きましたが、

私が到着した時点でスタートだったので、待ち時間が1時間ほど発生してしまいました。

 

夜中フィックスのパーティは隣のSouthern man に取り付きやたらハイテンションですが、スピードは遅く

ビレイヤーは幾度となく「ハイステーップッ!!」と叫んでいました。

How to big wallにもアドバイスが載っていましたが、エイドで重要なのは

「その先のクラックとか支点が取れるかとか見なくていいから

とにかくアブミの上に乗れ」躊躇してアブミを登らないことは全くの時間の無駄だということです。

 

ルーフやっとこえた私と、夜中に来た2人組。もう壁は日に照らされました・・・

 

5P目は意外にもそんなに難しくなく、振り子トラバースも一発でバッチリ決まりました。

写真では分かりにくいですが振り子決まった瞬間。

 

 

フォールした瞬間にも見えますが、思い切り助走つけてガバに飛びついたところです。

 

5P目は前のパーティに追いついてしまい、そこでまた待ち時間(1時間半くらい?)

それで、彼らがスタートしたくらいに、隣のラインを登っていた夜中のパーティーが、

サウスフェース6P目途中のクラックで一旦切りたいと言ってきました。

確かに、隣のラインはボルトラダーの後のクラックが非常に細く、

支点が作れそうなところがなさそうでしたし、回収は真っ直ぐな垂直の壁なので時間はかからないだろうと思いOKしました。

 

この時点でもう午後1時。

気になっていた風も強くなってきました。

結局登り始めたのは15時半過ぎ。

 

ハンギングで3、4時間待つのはサナギの気分。

 

待ち時間の間、日差しにやられたのか、風で体温を奪われたのか

頭痛がしてきました。登っている最中に頭が痛くなったのは初めてでした。

登る前にお腹が痛くなることはしょっちゅうありますが。

 

6P目のトラバースをshuはサクサクこなしまし、順調に進んでいましたが風はどんどん強くなっています。

 

ルーフ上部に行くと姿が見えなくなり、

しばらくして、「あーっ!!!」との声がして、落ちたな、と思いました。

後で聞いたら最後の易しい箇所で、フリーに切り替えれば良かったのに

変な支点とって乗ったら落ちたそうです。

アブミ落とさなくて良かったです。※デイジーはつけず、予備を持って行きました。

 

私が回収して7P目スタート地点に着いた時17時半。

E&Dは6P目終了点で、降りてしまいました。

風のせいでロープが横に50mくらい風に飛ばされているように見えました。

 

夜中の2人組はサウスフェースラインで上まで行き、翌日ノースドームガリーを歩いて降りるつもりだと言っていました。

まだまだ時間もかかりそうだったので、私たちもここで降りることにしました。

 

6P目下降。木が小川山の3倍以上大きいので高さをあまり感じません。

 

下降前に夜中の二人組の1人と話して分かったのですが

彼らは、アワニーホテルの従業員だそうで、だから仕事終わった後、夜登り始めたのだそう。

私たちが降りるというと、本当に上までいかないのか?と何回も念押しされ、

自分たちのせいで降りることになったと気にしているのかな、と思っていると

「水余ってたらちょうだい」

水がもうないんだそうです。

快くOKしましたが、水なしでももう1日過ごすつもりだったのがすごいというか、

無謀というか、感心してしまいました。

私が下降する直前に、さらに

「今、何時かわかる?」と時間も把握していなかった模様。

もう18時、後1時間ほどで日が沈みます。

あのスピードだとおそらく8P目で暗くなってしまったと思います。

でも彼らは最後まで登ったと思います。ハイテンションのままで。

 

下降開始した頃から、昨日と同じく風はピタリと止んでいて、

ロープが飛ばされることもなく、ディナーリッジへ下降できました。

その頃、私の頭痛は吐き気がするくらいに酷く、気合を入れて取り付きまで下降。

最後は真っ暗になりました。

 

 

 

翌日(7日目)、Glacier pointからワシントンコラムを眺めました。

 

 

このルーフ下でもがいていたんです。

 

8日目は Nut Crackerとヨセミテフォール近くで登り

9日目 午前中のElcap Baseで登り

午後はディナーリッジで見たGrackをやることにしました。

 

赤丸がKor Roof。前のパーティーにつられて登って行ったらロープが足りなくなってしまいました。多分彼らは80mロープ。

右のクラックに移るためのド・スラブパートが長くなってしまいました。スラブはやっぱり怖い!

写真はちょっと傾いているので、本当はもっと立ってますよ!!

 

広大なスラブ。広々して気持ち良いです。ハヤブサや蛇がいました。

この上は観光客が大勢いるGracierPointです。

 

ワシントンコラムから見たGracier Point Apron

 

 

ビッグウォールもやってショートピッチや1dayのマルチピッチもやるのであれば

1週間ちょっとでは全然時間が足りません。

またビッグウォールに挑戦したいと思っていますが、今度はもっと長く滞在したいものです。

そして、アメリカ人の(特に夜中組の)テンションの高さは見習いたいものです。

 

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